血便、肛門の異常
多くは痔によることが多いのですが、憩室、大腸がんなどによって起こることがあります。診察時に肛門の診察をお願いすることがありますが、念の為、大腸カメラをおすすめすることがあります。
💉 大腸がん
症状の特徴
- 便に血が混じる、便の表面に血が付く
- 長く続く下痢や便秘、便が細くなる
- 貧血、体重減少、だるさなど全身症状
治療の概要
- 内視鏡で切除できる早期がんは内視鏡的切除
- 進行している場合は手術による切除
- 状況により抗がん薬治療や放射線治療を追加することもある
🟠 大腸ポリープ
症状の特徴
- 多くは無症状
- 大きくなると血便や便潜血陽性の原因になる
治療の概要
- 大腸内視鏡検査で発見し、その場で内視鏡的ポリープ切除
🔴 大腸憩室出血
症状の特徴
- 前ぶれなく突然、鮮やかな赤い血便
- 腹痛があまり強くないか、まったくないことも多い
治療の概要
- 多くは自然に止血し、安静と点滴などで経過観察
- 止まらない場合は大腸内視鏡での止血処置
⚡ 虚血性大腸炎
症状の特徴
- 突然の左下腹部痛に続いて、下痢と血便が出る
- 多くは一過性で、数日から1〜2週間で軽快することが多い
治療の概要
- 入院または外来での絶食と点滴、腸を安静にする保存的治療が基本
- 症状が落ち着いたら、徐々に食事を再開
🌿 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
症状の特徴
- 反復する粘血便・血便、腹痛、下痢
- 体重減少、貧血、発熱、倦怠感
- 若年〜中年に多く、長く経過する慢性の病気
治療の概要
- 5-ASA製剤などによる炎症コントロール
- 必要に応じてステロイド、免疫調節薬、生物学的製剤などを追加
- 重症や合併症では手術を検討
🦠 感染性腸炎
症状の特徴
- 急な腹痛、発熱、水様性下痢
- 下痢に血や粘液が混じることがある
- 生ものや海外渡航歴などが手がかりになる
治療の概要
- 脱水予防(補液)、食事制限、整腸などの対症療法
- 細菌性が疑われる場合や重症例では抗菌薬治療を検討
肛門の三つの代表的な病気
痔核(いぼ痔)
肛門の中や外の血管がうっ血して、いぼのようにふくらんだ状態です。
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主な症状
- 排便時やその後の出血(鮮やかな赤い血)
- 肛門の違和感やはれ、しこり
- 内痔核では、いぼが外に出てくる「脱出」
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主な原因
- 便秘やいきみ
- 長時間の座位、立ち仕事
- 冷え、飲酒、妊娠・出産など
裂肛(切れ痔)
かたい便などで肛門の皮膚が切れてしまった状態です。
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主な症状
- 排便時の強い痛み
- 排便後もしばらく続くヒリヒリした痛み
- トイレットペーパーに少量の鮮血がつく
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慢性化すると
- 傷が治りにくくなり、肛門が狭くなる
- 皮膚のたるみ(見張りいぼ)ができることもある
痔瘻(じろう)
肛門の奥に細菌が入り、膿がたまって通り道(トンネル)ができた状態です。
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主な症状
- 肛門周りの腫れや痛み
- 膿や血が出る、下着が汚れる
- 発熱を伴うこともある(肛門周囲膿瘍から続くことが多い)
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特徴
- 自然に完全に治ることは少なく、再発を繰り返しやすい
- 根本的な治療には手術が必要なことが多いです
🔍 検査の受け方
症状や年齢に応じて、次のような検査を行います。
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問診
- いつから、どのような症状か
- 排便の回数や便の硬さ
- 出血の程度、痛みの有無 など
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視診・触診
- 肛門周りの腫れ、しこり、傷の有無を確認
- 必要に応じて、肛門に指を入れて硬さや痛みを調べます
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肛門鏡検査
- 細い筒状の器具で、肛門の中を直接観察します
- 痔核の状態や裂肛の範囲などを詳しく確認します
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必要に応じて行う検査
- 大腸内視鏡検査
- 痔以外の病気(大腸ポリープや大腸がんなど)による出血がないかを確認します
- 超音波などの画像検査
- 痔瘻のトンネルの広がり方や深さを調べます
- 大腸内視鏡検査
💊 主な治療の流れ
症状や重症度により、次のような段階で治療を行います。
生活習慣と薬による治療(保存的治療)
痔核と裂肛では、まず生活習慣の見直しと薬による治療を行うことが多いです。
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排便の改善
- 便秘・下痢を避ける
- 食物繊維や水分を増やす
- 規則正しい排便習慣をつける
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肛門を清潔に保つ
- 排便後は強くこすらず、やさしく洗浄
- 長時間のトイレやいきみを避ける
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薬の治療
- 坐薬や軟膏で痛みや炎症、出血を抑える
- 必要に応じて、内服薬で便をやわらかくする
外来処置・日帰り手術
保存的治療で十分な改善が得られない痔核では、外来で切除を行うことがあります。
手術が必要となる場合
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痔核
- 出血や脱出が強く、日常生活に支障がある場合
- 保存的治療や外来処置で改善しない場合
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裂肛
- 繰り返して慢性化し、肛門が狭くなっている場合
- 痛みが強く、日常生活に大きな支障がある場合
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痔瘻
- 原則として手術が第一選択ですが、現在の炎症が少ない場合は経過観察します
- 膿の通り道をきちんと処理しないと、再発を繰り返します
